結婚式でプロのフォトグラファーへ撮影を依頼する意味
スマートフォンが普及し、カメラの機能も高性能になっていき、誰もが簡単に綺麗な写真を撮れる時代になりました。
シーンとして、記録として結婚式の写真が残っているだけで良いのであれば、極端な話、今や列席者全員が撮ってくれた写真を集めれば良いと思います。プロに頼む必要も無いのかもしれません。
ゆくゆくはAIなどが進化して表情に合わせて顔認証し自動で写真を撮ってくれる機械も出て来るかもしれません。泣
では、結婚式においてプロのフォトグラファーの価値とはなんでしょうか?
もちろん確実に写真を残すこと。それは全体の流れを把握し先回りをして撮影していくことも条件になっていきますが、僕の考えでは違いを感じられる部分は、いかに色々な人々の感情とその変化を写真に残せるかにかかっているかと思います。
緊張している瞬間、嬉しい瞬間、楽しくて楽しくて仕方のない瞬間、これまでの過去を振り返り思いが溢れて涙になる瞬間。
そんな瞬間は新郎新婦のお二人を中心に結婚式の中でめまぐるしく変化していきます。
僕らの仕事はそんなそれぞれの瞬間と変化を、一つの結婚式の中でつ紡いでゆくのがフォトグラファーの仕事だと思っています。
フォトグラファーというのは、そのシーンをただ撮ることだけでは無く、感情がわかりやすく写真を見た人に伝わるように撮ることです。そこで初めてそのための構図や距離感、写真の明るさ、使用する機材、写真の仕上げの色や質感、アルバムにして組写真として見せたりと、プロの技術が必要になってきます。
例えばですが、一枚の写真の中に写っている人がいて、その人は写真の中でなぜその大きさ、距離感で撮影されたか?その答えをフォトグラファーなりに答えられないといけないと思っています。そこに表現したい意図があるからです。
フォトグラファーの価値は意図して『幸せ』を写真に残していくこと。
僕が思う、これからの結婚式におけるプロのフォトグラファーの存在価値とは、人の気持ちが写っている写真を残すことです。
目には見えないけれど、結婚式の中にあるたくさんの『幸せ』をどれだけ写真に残し伝わりやすくするか。
そしてその『幸せ』をどうアルバムで編集するか。
数年後、数十年後と時間が経った時に、見返した時に、まるでタイムマシーンに乗ってそのときの『幸せ』に触れることができる。その時のことを思い出すこともできる。
そんな楽しみかたができる写真を残すことが僕が思う結婚式のフォトグラファーの価値なのだと考えてます。